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2011年4月

2011年4月30日 (土)

中国・西洋と東洋の融合リハビリ

中国レポートのつづき。

外傷などにより、関節等に損傷を受け、リハビリが必要になった患者さんへは、3つのステップで治療が進められていきます。

第1段・・・痛みの緩和

第2段・・・機能回復のための治療

第3段・・・生活習慣指導

「目的は痛みをとめることではなく、あくまでも機能を回復させること。」

この言葉をリハビリセンター見学中に何度も聞きました。

痛みを取り除いても、動かないままではダメなんです。

日常に必要な機能を取り戻すことを目的に行なうのがリハビリなのだ、それがなければ治療ではない、と強く先生方はおっしゃっていました。

そして方法は、というと

第1弾(痛みの緩和)においては・・・薬・湿布・マッサージ・鍼灸を利用

第2弾(機能回復)においては・・・PTOTSTと共に必要な運動や、中国伝統療法を用いた太極拳などの動きを取り入れてリハビリを行なう。

第3弾(生活習慣指導)・・・ここがもっとも大切といえるポイント。個々によって全く違うプログラムが組まれ、インソール(靴の中敷)を作ったり、杖を作ったりすることもあるし、生活の中でできる運動を指導していく。

痛みがある急性の段階では、薬なども使いますが、リハビリとしてはその人に合ったものが大原則になります。

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センター内の中国が誇る最新鋭の機器が並ぶリハビリ室を見学させてもらいました。必要な患者はこちらの機器も利用します。

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中国式ではなく、現代の最新機器のお部屋です。

ドイツ製・アメリカ製・ノルウェー製の機械がずらりと並んでいました。どれも超!高額の中国で数台しかないようなものばかり。

コンピュータ解析で、関節可動域のチェックなども簡単。

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↑腰痛の患者さん。

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↑ゲームをしています。動きに連動したソフトで、ウィーフィットを思い出します。

手で物を拾って持ち上げ、かごにいれるシュミレーションのゲームになっていました。

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↑ぐらぐらするバランスボールのようなものに乗って行なうことも。この方はリハビリ上級者ですね。

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昔からある運動(太極拳など)と現代の体操などを組み合わせ、独自の治療段階を作っているのが大変興味深かったです。

通院の場合も痛みなどの症状は、2~3回通えばなくなることが多いそうです。

しかし、

本当の治療、つまり機能が戻るまでには12回くらい通うのが一般的だそうです。

そして、中国伝統的な手法を用いたリハビリ室。

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↑漢方を入れ、下から蒸気がでてくる蒸ベッド。

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↑↓鍼灸を受けるお部屋。

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なんと、こちらでは風水鍼という治療が行なわれていました。

東洋医学に則って時間帯や季節に応じて鍼をうつつぼを決めるのだそうです。

午前中は、このつぼを治療。

午後になったらこのつぼから治療、というような。

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この病院においてのリハビリは、西洋の現代機器にて行なうか、中国の伝統療法を用いるか、選ぶことができます。

そして、融合も可能です。

言語聴覚士は患者さんの訓練をみるとき、患者の頭に鍼をさしたまま行なったりするそうです。

中国ならではの統合医療の形なのでしょう。

やはり、頭に鍼を置いておいた方が、訓練は効率が良いそうです!

2011年4月29日 (金)

中国・リハビリ開始に劇術呼吸

短い中国の旅で学んできたことが多すぎて、まとめるのが大変です。

福建省・福州にある中医薬大学の一角に作られた真新しいリハビリテーションセンターです。

これから、日本も学んだほうがいいのではないか?と思える医療の形がありました。

日本の病院もこうだったらいいのにな、といち患者として感じるものがありました。

中国リポートのつづき。

脳梗塞などをきっかけに神経系麻痺がある方などには、特別プログラムのリハビリテーションが用意されています。

ビデオプログラムも上映されています。↓

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リハビリときくと、身体を動かして、その機能回復を行なうもの、というイメージですが脊椎の損傷があったり、麻痺があって全く動かせないような患者さんの場合もありますので、

始めに行なうのが呼吸法の訓練だそうです。

まずは落ち着いて今後のリハビリ期間を過ごせるようにプログラムが組まれるとのことでした。

最初に「気の集中とコントロール」のために呼吸法や動かないでも行なえる気功を学ぶのです。

集中力を増し、意識を身体に向けるために、用いられるのが呼吸なのです。

直訳で正しいのかわかりませんが

「劇術呼吸法」

とおっしゃっていました。

呼吸・・・・

普段マークスボディデザインで施術をしていて、たくさんのクライアントさんを診ていますが、本当に良い呼吸ができている人が少ない、と院長は言います。

なるほど、本当にそうなんです。

私も呼吸法を学ぶことによってさまざまな身体の発見がありました。

呼吸は一生続けていくもの。

呼吸の行ない方ひとつで、交感神経も副交感神経も少し操れるようになるというもの。

自分の脳と向き合うときに、呼吸に意識を集中すると、脳の状態も少しコントロールできるような気がしてきます。happy01

自分らしさを取り戻すときにも、深い呼吸をすることが大事。

最近心がざわざわする日が続いていたので、私にも必要だ~!と強く思いました。

2011年4月27日 (水)

IMSI活動報告・災害ボランティア

今日は表参道のIMSIにて、授業をしてきました。

リフレクソロジー基礎クラスを担当してきました。

IMSIは、自然療法の国際総合学院です。講師は皆セラピストの集団ですが、今日は出勤されていた嵯峨先生と災害ボランティアについて色々お話しました。

嵯峨先生のご主人も被災地のサポートのために積極的な活動をされています。

自治体だけでは賄えないさまざまなニーズに応えるべく、NPOという存在があるのですね。

このような素晴らしい活動をされているNPOの存在ももっともっと伝わっていったらいいな、と思いました。

タイトルがステキ↓

ホープステイ

避難所に暮らす方々は自ら「よし、遊びに行こう!」となれない心境の人は多いでしょう。

いつ大きな余震がくるかもわからないのに、家族や友人をおいてそこを離れるなんて今は無理・・・という人もいるでしょう。

でも、東京にも受け入れてくれる人たちがこんなにたくさんいるんだ・・・!と知るだけでも、きっと心がふっと救われたりすると思います。

また、時に人に甘えて楽しむことも忘れないで欲しいな、とも思います。

嵯峨先生と情報交換をしながら、一緒に相乗効果を生み出せたら・・・と前向きに話は進み、今後もよい協力体制でお互いできることからやっていきましょうね。と有意義なお話ができました。

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前回被災地に行った際、私はアロマスプレーをもっていきました。

衛生的管理が全く不十分で、ストレスを感じる不快なにおい。

今こそアロマセラピーが役に立てると思い、自作スプレーですがもって行きました。

受け取って使ってくれた方々は、大変喜んでくださいました。手渡しできたのが良かったのだと思います。

IMSIでも5月18日にチャリティーワークショップを開講します。

被災地ボランティアや、セラピーによる協力をしてくださる方、お待ちしておりますので是非ご参加ください。

クラスの中では、情報交換とアロマスプレー作りを一緒に行います。2本スプレーを作成していただき、内1本は寄付として私が責任もって被災地に届けます。

被災地ボランティア報告と衛生対策エアフレッシュナー作り

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避難所の今。

日々刻々と状況は変化しています。

この変化があることを想定して、ボランティアなりサポートなり何かお手伝いをしようと思ったら、現地との密な連絡がとても重要と思います。

検討違いのボランティアにならないために。

被災地の声を聞くこと。

ボランティアを志願される方、これを忘れないでください。私もいつも心がけるようにしています。

ひとりよがりのボランティアほど、現地の人々を傷つけます。

それぞれ経験したことや、であった人から受けた影響によって、考え方の相違は必ずあるものです。

ボランティアを行なおうという思いはあっても、心をひとつに・・・なんてとんでもなく難しいことだと思います。

それでも今、ひとつにしたいんですよね。

2011年4月26日 (火)

中国・最新リハビリテーションセンター~脳梗塞編~

この日は、福建省福州の町なかに今年たてられた、福建中医薬大学リハビリテーションセンターを訪れました。

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最新鋭の現代技術と知識が集結した素晴らしいリハビリ施設で、統合医療の先端ともいえる場所。

もちろん、中医学の要素もたくさん取り込まれています。

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150床あるこの施設では、部門ごとに分かれていて、

one検診センター

twoリハビリセンター棟

three治療棟

という感じです。

検診センターでは、現代の最新機器など西洋医学を中心に用いた検査が行なわれております。それによって、まずは今どんな状態なのかをきちんと把握することができます。

すぐ治療が必要な場合もあれば、長期プログラムで日常からリハビリをしていくケースももちろんあります。

では、注目のsign01リハビリセンターをご紹介しましょう。

6階立ての大きな施設。

まずは、2階。こちらは脳梗塞の患者さんのためのリハビリ病棟です。

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後遺症などによる機能不全のためにリハビリを行なっている場所です。

急性の方はいません。

1ヶ月から2ヶ月経過して、リハビリの段階に入った方々のためのフロアです。

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フロアの責任者、主任医師が説明をしてくださいました。

ここでは、治療が2部制に分かれています。

flair第1部は、PT(理学療法士) OT(作業療法士) ST(言語聴覚士)によるリハビリ。

flair第2部は、中国伝統療法を用いたリハビリです。鍼灸・マッサージ・太極拳などが含まれます。

患者の状態に合わせて、また生活習慣などもみながらアドバイスを行い、適切なリハビリプログラムを提供しています。

待合室には、運動療法の開催される時間が掲示されており、その時間になると参加する患者が皆集まって、太極拳をはじめとした病院独自の中国式リハビリテーションが行なわれていました。

現代の医学と伝統医学の融合した形がありました。

それぞれの専門の医師が同じ場所で同じ患者に向き合って仕事をしています。

これが、統合医療という分野なのですね。

2011年4月25日 (月)

中国・漢方と名医

中医学の中に、漢方があります。

中国福建省福州にある福建中医薬大学内の、漢方の原料を集めた資料館も見学させていただきました。

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植物はもちろんのこと、鹿の角も薬、亀の甲羅も薬、動物のあらゆる部位や石や土までが薬になるのです・・・。

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これも

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これも

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これも全部

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薬(漢方)の原料です。

↓これは、現代の形になった漢方薬。

福建中医薬大学で開発した薬もたくさんあります。

日本ではツムラが有名ですが、この種類の多いことといったら本当に驚きです。

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なんども言うように、中医学の「名医」はただ病名だけで治療を決定するのではなく、身体のどの経絡・気の流れに問題があるのかを考えて漢方を使います。

ここ中国で学ぶ統合医療(または中国語では結合医療)においては、西洋の近代技術を用いて診断を行い、その上で中医学に基づいた治療を進めていくというもの。

病名がわかり、身体にどんなことが起こっているのかをしっかりと見極める方法として、現代医学の知識を用いており、実際に病名や身体の状況が判断できたら、

これは熱の病

これは冷の病

などなど、東洋の知識を用いて方針を決めていくのです。

なんとも理に適った素晴らしい融合の形ができているのだなあ、と大変関心しました。

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古くから使用されている漢方の薬局台です。

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実際の薬の調合は、このようなアナログなはかりでひとつひとつ丁寧に。

処方箋も種類が多くて大変でしょうね。

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↑実際の町なかの漢方薬局はこんな感じです。

診察も受けられる場所を見学してきました。

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1階が薬屋さん。

2階は診察室がならぶフロア。

↓なかなか貴重な体験です。診察室内までお邪魔してきました。

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↓もっと貴重なのが、東西の医者対決!!

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こちら、白衣の先生が中医師(中国伝統医学専門)で、グレーの先生がこの度大学の見学にいらしていた西洋医学の専門医師です。

脈診をして、舌を診て、

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あなたの身体はこんなだよ、と中医学の専門家が言うと・・・

「いやいや、私のからだは元気ですから、脾臓が悪いなんてことはないはずだ。」

「いえいえ、脾臓ではなく脾経の問題です。」

など、大変面白いやりとりを目の前で見ることができました。coldsweats01

お互いの良い部分をいかに取り入れ、融合して患者を診ていくか・・・。

大きな課題であり、それを実践している中国の現実にとても学ぶところが多かったです。

2011年4月24日 (日)

中国・中医学の歴史館

さて、4月15日中国・福建省福州で行なわれた学術交流会。

会が開催されるのは午後からでしたので、午前中は大学内にある博物館を見学させていただきました。

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ここには、中医学の古代からの歴史が事細かに展示され、学ぶことができる貴重な資料がぎっしり!

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中医学を築いてきた偉人たちの銅像や、その功績が展示されています。

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つぼ発見のきっかけは、石だったと教わりました。

古代の人が道で「いてっ!」と石にぶつかる。

すると

他の箇所にあった痛みが「あれ?それほど痛くなくなった。」

あるポイントに強い刺激が加えられると、他の痛みが和らぐ、というような発見から「つぼ」の研究が始まったとの事。

また、古代の石はそれを煎じて薬にもなったのだそうです。ミネラルを取り出すことで、身体に有益なものになるのでしょうね。

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↑これは、つぼを探し当てるために使用された練習用の人型。

つぼとされる位置に穴があいています。

布をかぶせ、見えないようにして、針を刺す練習をしたものだそうです。

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↓こちらは動物の動きを真似て養生のための体操が作られたときの資料です。

しっかりリハビリ。しっかり予防。大切ですよね。

なんと今でも中国の最新リハビリテーションセンターでは、太極拳などの運動療法が用いられており、伝統医学がしっかりと根付いているのです。

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紹介しきれないほどの資料の数々。

中医学の歴史を学べるチャンスはそんなになかったので、大変勉強になりました。

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↓来館記念に、署名を求められました。久しぶりの墨と筆。

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中医学では、患者の全体を見て治療方針を決めていきます。

身体の不調を全体の状況を見極めてから根本解決を目指すのです。

つまり、今ある症状だけにとらわれることをしません。

痛いところを取り除くだけが治療ではありませんので、中医学では医師の力量が非常に試されるのです。

この病気にはこの薬のんで、はい、終わり!

という事はなく

同じ症状・病気を患っていても体質や性質が違うわけですから、根本治療を目指すときにはアプローチ方法が人によって変わってきます。

中医学においては「名医」というのがあるわけです。

この先生でなければ、この先生だからこそ、本当の治癒に促してくれる、というような。

深い・・・!

2011年4月22日 (金)

中国・学術交流会に参加しました

被災地では人間らしい暮らしさえもままならない状況で、私も普段の生活に戻ったようにしていても、心の端っこにはいつも被災地のことが気になっています。

いつもの生活を元気に過ごすことが大切です。

でも、大きな悲しみや苦しみの中にいる人々がこれだけたくさんいることを忘れないことも、とても大切と思います。

さて、こんな時にとも思いましたが以前から決めていた中国出張へ行ってきました。

福建省福州にある中医薬大学において開かれた学術交流会に参加するためです。

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真新しい大学、風水など方位も含め計算されつくした素晴らしい建物でした。

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中国伝統の中医学と現代医学の融合を果たしている統合医療を実践する国、中国にてどんな学びがあるのかがとても楽しみ。

夫婦でお招きにあずかり、空港から大学の配慮で送迎もホテルのチェックインも全てお世話してくださいました。

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↑5つ★ 温泉ホテル。

こんなに良い待遇を受けることがこれまでにありませんので、こちらが恐縮して緊張してしまうほど。

大学内の豪華すぎる応接間に通され、ご挨拶。

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日本からは私たちを含め6名が招待されておりますが、皆医療関係の専門家と医師または治療家です。

私なんかが普通にはお目にかかれない権威ある有名な先生方ばかりです。

ガンと免疫療法における最新の情報交換の場としてこの学術交流会が開催されることとなりました。

このような場に同席できるなんて、夢のようです。

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※左から3番目が私。

この福建中医薬大学の学長を25年勤め上げた杜学長は(※中央・右から7番目)、中国の統合医療、中医薬の世界では大変に有名な方で、中国政府とのつながりも深い方です。

大学の長として、治療家として、中国の医学の発展を支えてきた人です。大変温かいお人柄も含め、お会いできて光栄でした。↓

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この大学は在校生が1万人以上。

門下生が8000人。

院生が1000人。

付属病院が全8箇所。

中医学と現代医学が融合された病院もあれば中医学のみで治療をする病院もあります。

ここは非常に大きな大学で、博士教育の拠点として政府からの援助も大きい中国を代表する医科大学なのです。

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中国には、現代医学のドクターを育てる医大と、中医学の専門というドクターを育てる医大と2種類存在しています。

卒業証書としては、同じドクターの称号が入りますので対等ですが、学ぶ内容が異なります。

伝統療法と現代医学。

この二つの医学の専門家が融合して行なう本当の意味での治療とは、をこの目で見てきました。

興奮しっぱなしでした!

つづく。

2011年4月21日 (木)

被災地レポート vol.8 ペットの現実

どんなに危険だと言われようと、自分の家があったらその場に一度は帰りたい・・・。

身の回りのもの、代々ある大切なもの、思い出やこれから必要なもの全て、福島の原発から避難してきた方々は、家に置いたまま避難されています。

せめて一度でいいから帰りたい。

だれもがその状況を想像したら簡単に理解ができる心境です。

ただ、それが許されないような現実がおきています。

どうか、皆さんも想像だけでいいからしてみてください。どんなに悲惨な状況か。

想像を超えた悲しみのひとつには、行方不明者の捜索ができないことと、ペットや家畜をそのままに避難されてきた人々の心労があります。

ほんの数日の一時避難のつもりだったのに、あっという間に1ヶ月以上がたちました。

福島原発付近の沿岸の町では、残されたペットたちが繋がれたまま放置されているという心痛む現実があります。

近所の家の犬が外につながれたままに主人が避難してしまい、主人は戻れなくなって、結局その犬に残っているご近所の人がエサをなんとか与えている。でも鍵がかけられた家の中にいる猫は、どうしてやったらいいもんか、なんもできないでいるから、誰か助けてやってほしい、との連絡が役場にあったりしたそうです。

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↑これが私が訪れた郡山市にある2000人を収容している巨大避難施設の一角、救護室です。

子どもたちもいます。

寝たきりの高齢者もいます。

避難者の中には家族の一員であるペットも連れてきている人たちもいました。

ただし衛生面を考慮して、施設内にペットは入ることができません。

以前は駐車場や施設の外のあちこちにペットの姿がありましたが、今は外の倉庫にケージが集められ、犬たちがそこで悲しそうな声で鳴いていました。

避難所では目はうつろ、ぐったりと寝ているだけの人の姿も見られます。

ペットの元気は人の元気につながるものですが、犬たちも同じくぐったりとした様子です。

犬を連れて避難された方にとって、その犬は家族同然ですからそばにいてあげたいですよね。

ただし避難所に犬を連れて入ることができないので、毎晩自家用車の中で犬と眠っている人たちもいると聞きました。

役場会議ではどうしても人を優先的にケアしなければならないため、なかなかペットたちのケアまで手が回っていません。

ペットたちの置かれた環境も相当悲惨です。

かわいそうで、泣きそうになりました。

悲しいですが、現実です。

写真は。

撮れませんでした・・・。

つづく。

2011年4月20日 (水)

被災地レポート vol.7 消毒液vs精油

避難所の中にはいると、まずにおいがとても気になりました。

この日は実は集団感染症が発症したことが発表され、前日の夜、30人以上の人が嘔吐・下痢などの症状を訴え、医療スタッフが寝ずに看病に当たっていたようでした。

つまり、感染症の拡大を食い止めなければいけない状況で、塩素系の消毒液もたくさん使われていたのでした。

鼻をつく消毒液のにおいと、なんとも言えない換気されていない2000人以上が集まった空間の「気」とも言うべきもの。

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↑お分かりでしょうか。

エスカレーターの下、トイレの前、廊下の両側全てに人が生活しています。

セラピストである私が通されたのは、大きな展示場建物の中のコンベンションホールに作られた「救護室」です。

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ここは、寝たきりの方や看護・介護を必要とする人、また乳幼児なども集められた場所です。

医師をはじめとした医療・介護スタッフが常駐しています。

皆、ボランティア。

皆、被災者で避難民といったほうが正しいですが。

つまり、富岡町や楢葉町、川内村で医療関係の仕事についていた方々が同じ避難民のお世話をしているわけです。

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感染症患者の対応に追われる医療関係スタッフ。

ただのテーブルと椅子が診察室です。

たいした治療ができるとは思えない環境でした。

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この度現場へ入るまで、本当に自分が何ができるのか正直わかりませんでした。

必要があるところをちゃんと聞いて、できる限りその要望に応える、というのが目標でした。

ただ、どうしても支援物資として持って行こうと考えたのが、手作りのナチュラルアロマスプレー。

天然の植物の香りを使った手作りのもので、アロマセラピストなら簡単に作れる便利グッズですよね。

芳香エアフレッシュナーとして、また消毒・抗菌のスプレーとして是非使っていただけたらなと思い、用意しました。

数は充分とはいえません。

本当に必要とされていなかったらありがた迷惑ですから、どんな反応が聞けるか楽しみでした。

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ひとつは、ラベンダーとレモンのブレンド。

もうひとつは、もみの木の精油のスプレーです。

もみの木スプレーは、私の恩師である町田久先生というアロマ界でも統合医療の世界でも著名な大先生が、好意で提供してくださいました。

さて、反応はといいますと。

これが、とても喜ばれました。

「うわ~いい香りがするねえ。」

「もみの木?!森の香り?! はぁ~、うちらいつも森の近くにいたもんで、気づかなかったけど、確かに森林に入ったときの匂いがするなぁ。はぁ~懐かしいわぁ!」(福島弁)

こんな感想がたくさん聞けました。

こういう場でこそ、アロマセラピーの本当の良さが発揮されるのでしょう。

アロマセラピーってこうあるべきなのです。

無意識かもしれないけれど、人は自然界にある豊かな香りを本能的に知っています。

植物や自然が作りだす香りがない世界では、人が人らしく生きられないのだと思います。

香りの持つその場の気を変えるパワーを実感しました。

2011年4月19日 (火)

被災地レポート vol.6 百聞は一見にしかず

これまでの被災地レポートで関連写真をアップできていませんでした。

今日は画像と共にこれまでの被災地セラピスト活動をご紹介します。

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↑こちらが、福島県郡山市の最大の避難所、ビックパレット福島の外観です。

見渡すかぎり、「いわき」ナンバーの車で埋まっています。

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避難所の中で活動する私のかっこうはこんなでした。

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名札などはありませんので、ガムテープにマジックで

「ボランティア・セラピスト

江口」

と書きました。

家にあるエプロンのうち、なるべく明るい色のものを選んで。

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避難所入り口。

避難区域になっている市町村では、人も減り救急車も多くは必要なくなっているので、だいたいの救急車がこの人が集まっている避難所に集結しました。

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震災から1ヶ月がたとうとする頃、外では地元ボランティア演奏家の方々の音楽が鳴り響いていました。

そして、避難所の入り口を入ると目に飛び込んでくるのが伝言板や行方不明者を探す人の張り紙の数々。↓

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ここには3つの村・町が役所ごと移転してきています。

乱雑で混乱の色が見える仮説村役場のおかれたひと部屋です。

3つの村・町とその他の避難者がひしめき合っています。

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川内村の村長さんが言っていました。

震災が起きてすぐに津波で壊滅した町を役場ごと受け入れ、町民を川内村に非難させ、その後原発からの避難区域が日ごと広げられ、ついには自分達も避難を余儀なくされた・・・。

そのはじめの6日間。

全ての人の住民票を持って、家を捨てて、行方不明者を捜索することさえ困難な中、村役場ごと移転を決定した日がもっとも苦しかった・・・、と。

つづく。

2011年4月13日 (水)

被災地レポート vol.5 仮設村役場にてセラピーを

福島県の避難所にボランティアのセラピストとして行ってきました。

巨大な避難施設です。

ここは、福島県の海沿いの村町が役場ごと避難しています。

川内村・富岡町・楢葉町。

地震、そして津波によって家を失い、原発の影響で今なお地元に立ち入ることさえできない人々がここに身を寄せています。

避難勧告が出されてから、家に帰ることは許されず、津波でどんなことになっているのかを確認できていない人もいるし、家族の安否は全く不明という人もいます。

想像を超えた現実を目の当たりにしました。

ここで出会ったおばあちゃんは、「家に鍵かけてないんだ・・・。」と言っていました。

着の身着のままとはこのことで、所持品はほとんどなく、一人でこの避難所に暮らしています。

セラピストとしてボランティアに入った私は、避難所の中でも「救護室」といって介護の必要な方や乳幼児を連れた方などが特別に集められた場所に通されました。

ここでは、寝たきりの人もいらっしゃいます。

市民の皆さんだけでなく、救護や介護をする側の職員さんたちが大変過酷な環境でお仕事されているのを聞いていました。

村役場をそのままここに移転しているのです。

仮設の役場が建物のなかに作られており、村長さんはじめ役所関係の職員さんも全員ここに避難しながらお仕事をしていました。

まずは、村役場の職員さんのためにもセラピーは必要だろうなと考えていたところ、

なんと・・・!

トントンと話が進み、主要な役場関係者皆さんにセラピーをすることになってしまいました。

川内村の村長さん

保健福祉課の課長さん

総務課の課長さん

看護師長・保健師長さん・・・。

なんという偶然というか、めぐり合わせというか。

この方々は本当に悲惨な状況の中、原発と闘い市民を守るために全力を尽くしてくれている人たちです。

自分のことだって大変なのに、市民のために働く義務があるとされる人々です。

特に村長さんは国に向かって、原発にむかって声高く訴えをしていかなければならない立場にある方です。

とても温厚で人望のある人であることはすぐわかりました。

避難所の皆がとても頼りにしていることがすぐわかりました。

こんなにも大きな問題に直面し、たくさんの人の想いを受けて日々どれほどに心労を抱えていらっしゃるのでしょう。

避難施設の一角、コンベンションホールの音響設備室にて、セラピーを受けていただくことになりました。

ここは雑音を遮断した薄暗い部屋で、床に毛布を敷いただけの簡単な特設セラピールームですが、他の雑然とした空間に比べたら落ち着ける場所でした。

皆さん、夜も緊急連絡が入るのでよく眠れていません。

横になって施術を始めると、すぐにふぅ~と息をはいて深い眠りに入ってしまう人ばかり。

身体も心も限界をはるかに超えた状況であることは、容易に想像がつきました。

家族のことや家のこと、震災のことは聞けない・・・。

ただただ休んでほしいという気持ちで、何も語らずフェイシャルリフレクソロジーを施して、痛いという肩や足腰をマッサージしました。

そして

施術が終わると涙目で力強く握手をしてくださったのです。

「本当にありがとう。一か月ぶりに気持ちがほっとしましたよ。」

「良い香りを嗅いだのは、震災以来です。」

「いや~、助かる、本当に助かったよ!もうひと頑張りできるな。」

こんなに嬉しい「ありがとう」はそう簡単にいただけるものではありません。

セラピーってこうあるべきなんだ、とこちらも胸がいっぱいになりました。

難しい説明は一切省きましたが、気持ちは通じたし、非常に大きな効果を感じられたそうです。

嬉しい。

よくテレビできいていた、被災地で元気をもらうってこういう意味だったのだろうかと思います。

心から、ありがとうと言ってもらえることの喜びって、そう簡単に味わえないのだろうと思います。

皆さんにどんな言葉をかけたらいいものかわかりませんでしたが、手を使ってなら気持ちが直接通じることがありますね。

被災地でセラピーの需要があることを確信しました。

つづく。

2011年4月12日 (火)

緊急地震ネコ速報

動物の地震感知能力ってすごいですよね!

福島の実家にいるネコを観察していて、よくわかりました。

人間が揺れを感じるのより1秒くらい早く地震を感じていますよね。

ネコちゃんがいるご家庭の方はわかりますか?!

毎日おこる余震のたびに、ピクッと反応します。

震度3まではその場でピクッ!

震度4以上になるとその場を離れます!

そしてうろうろ、または猛ダッシュ。

震度5を超える揺れがあるとしばらくこたつから出てきません。

ネコ予報ぴったり当たります!

動物たちに学ぶ自然からのメッセージの読み取り法、もう少し観察して理解できるようになりたいな。

ある科学者が、かまきりの卵の位置で津波の高さを予測するとおっしゃっていました。

今回の津波も的中させた方がいるのです。

それは、自然界に暮らす昆虫や動物たちに学んでいるのですね。

人間はその察知能力が衰えてしまっているのかもしれません。

もっともっと謙虚に自然界に暮らす動物たちから学ぶべきかもしれないですね。

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被災地レポート vol.4 福島県の新エチケット

福島県では、このところ新しいエチケットが存在しています。

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それは、施設や他人のおうちにお邪魔する際、ジャケットをぬいだら玄関先に置くこと。

表裏を逆にしてたたみ、建物の中にもちこまないように気を使います。

雨がふっていたら、それをペーパーでふき取ってから家に上がります。

それは、放射能の影響があってはならないから。

家の中に絶対に持ちこまないようにしたいから。

換気扇はまわさないようにしているし、マスクをして外出をします。

車の窓もなるべく開けないように気をつけるので、この温かい陽気の中とても残念ですが、移動中は蒸し暑い車内でがまん。

個人宅や介護施設などでは徹底して気を使っているのですが、避難所に伺っておどろきました。

巨大な避難施設ではまだまだ衛生管理を含め、そういった対策が不十分なのではないかな、と感じました。

だれでも出入りができるし、広いスペースに2000人もの人が生活しています。

集団感染も発覚しました。

ノロウィルス感染。

そこここで感染している人が見受けられましたが、隔離することができません。

このままでは放射能と感染症の影響でどんどん生活環境は悪化してしまうのではないかととても心配になってしまいました。

つづく。

2011年4月11日 (月)

被災地レポート vol.3 ボランティアの実情

大震災から1カ月が経ち、被災地の現状も日々変化しています。

まだまだ大きな余震が続く中、不便が多い避難所からのレポートをしたいと思います。

先日、福島県郡山市にある、県内有数の大きな避難所「ビックパレットふくしま」にてボランティアとしてセラピスト活動をしてきました。

郡山市で一番大きな展示場です。

ここには、原発事故と津波の被害によって家を失った人々が一時は2500人も避難していました。

徐々に要介護の高齢者などから施設や病院へ移って行ったり、べつの土地へ避難したりした人がいるので、今は2000人弱の人々がここにいます。

ボランティアとして現地に行くのに、はじめは電話で色々問い合わせなどをしてみたところ、県の職員からは「現在受付けていません。各避難所にきいてみてもらわないとわかりません。」と言われてしまいました。

正確には、県の災害対策本部ではどういうわけか避難所の現状が把握できておらず、どの避難所にどんなもの・人が必要なのかの情報を持っていなかったのです。

あらら、なんてことでしょう・・・。

私の場合、県内に家族や友人もおり、母は自分も被災者でありながら避難所にいらっしゃる海沿いからの避難者をボランティアで介護などしていました。

被災地では、受け入れた市町村の人(現地の人)が中心となって炊き出しや医療・介護などのボランティアを行っています。

「もう全然人がたりていなくて、本当に大変なのよ。」

と避難所に行っている人からは聞いていたのに、対策本部ではその現状が外部に伝えられていない現実があることがわかりました。

避難所の中では、看護師・介護師を中心として、もうあり得ない労働環境で仕事をしています。

寝る場所は、階段の踊り場。

朝から夜勤までこなすので、わずかな睡眠時間以外は、避難所の介護を要する人々のため、具合が悪い人々のために働きづめです。

毎日の余震で睡眠時間はほとんどとれません。

そして、忘れてはならないのが

彼らも避難してきた人たちで、自分の家を失っているのです。

家族の安否確認さえ出来ていない人もいます。

こんな現実があるのに、ボランティアの人を受け入れる態勢ができていないことで、うまく回っていないのでした。

色々な意見もきいて、何ができるか自分なりに考えました。

まずは、個人的に時間がとれた週末を使って、現地に行くことにしました。

この後も続くであろう被災生活、少しでもセラピストとしてお手伝いできたら嬉しく思います。

その時に一人でも賛同してくれる仲間がいたらどんなにいいだろうと考えています。

だからこそ、この後の活動をどのように進めていくべきかを考えるためにも、実情をこの目で見て、事実をちゃんと伝えようと思いました。

現地に持っていくものは、自分の生活に必要なものすべてと手作りのアロマスプレー。

身近で呼びかけをして同じ業界の方々からも応援を受け、抗菌作用・免疫賦活作用の強い精油を用いたアロマスプレーを作ってもらい、避難所に持って行きました。

今、避難所では衛生問題が大変大きな問題となっています。

福島県では特に原発の影響があるために満足に換気もできません。

思いっきり外の空気を吸って、深呼吸というのができない現状があるのです。

あんなに空気のきれいな空のきれいな街だったのに。

悲しいですね。

だから、こんな時こそアロマスプレーで空気の抗菌と香りによるリフレッシュをしていただければと思いたったのです。

実家にたどりつき、改めてここは被災地なんだな・・・と感じ、避難所に向かいました。

つづく。

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